埼玉にある水素サロンセルくれんず|農薬から考える農業の未来
2021/01/19
危険な農薬として騒がれている『ネオニコチノイド』系殺虫剤
ネオニコチノイドは昆虫の神経回路にあるアセチルコリン受容体に結合して殺虫する神経毒。
適用できる害虫の種類が広いという特徴があります。
また、脊椎動物への急性毒性が低く、環境中で分解されにくく残効性があり、
水溶性で植物体への浸透移行性が高いことなどから、様々な植物に広く使用され、
農作物の生産性向上等に役立ってきました。
しかしながら、近年、昆虫などの無脊椎動物だけでなく、
脊椎動物に対する免疫機能や生殖機能の低下などの慢性毒性が報告されるようになり、
直接的及び間接的な生態系への影響が懸念されるようになってきました。
ミツバチ減少の原因物質としても疑われており、使用を規制する国もでてきました。
規制されるのも当然で、アセチルコリン受容体は人間にもあるからです。
栽培段階で散布されたネオニコチノイドは、農作物に残留し、
人間の神経に作用します。
発達障害、自閉症、アルツハイマーとの関係が示唆されています。
東京女子医科大学の平久美子医師の、こんなエピソードがあります。
“緑茶で痩せようと1日に何リットルも飲むのが流行ったことがありました。
急に手が震える、不整脈もすごい、目がうつろでフラフラ、食欲がない、そんな患者さんがたくさん。
お茶を飲むのをやめてもらうと数週間でけろっと治りました。
まさかと思ってペットボトルのお茶を分析したら本当にネオニコチノイドが検出されたのです。”
残留農薬の問題を考える時、重要になってくるのは
『農協』と『消費者』だと個人的に思います。
農薬を使っていようがいまいが、少しでも形のキレイな見栄えの良い野菜を求める消費者。
農家に農薬を売って使わせ、形の良い大きさの揃った野菜をより高く買い取る農協。
極論すれば、農協がなくなれば消費者の意識は変わらざるを得ず、
市場に無農薬の不揃いな虫食い野菜しかなくなれば、残留農薬の問題も解決すると言えます。
農協がなくなったら農家はどうすればいいんだと言われそうですが、
近年のオーガニックブームもありますから、形が悪くても購入する層に向けて
ダイレクトセールスをすれば良いと思います。ようは農協を介さない直販です。
近年は『フードロス』も問題になっています。
農家はせっかく野菜が豊作でも、事前の生産計画より収穫量が多くなりすぎたら農協が値をつけず
納入すればするほど費用がかかり赤字になるため、泣く泣く廃棄するそうです。
素人感覚で言わせてもらえば、棄てるなら食べるのに困っているひとにあげればいいのに、
と思いますが、農協に恩を着せられ依存している農家は、それを捌く方法を持っていません。
このコロナ禍で、売り上げ見込みゼロのために廃棄予定の野菜をすべて買い取る業者も続々と現れています。
このような流れに乗って、農協に販売を頼らない、無農薬野菜を消費者に直接販売するやり方は見いだせないものでしょうか。
既得権益を守るための岩盤規制のせいでややこしく、難しい問題と思いがちですが、
生産者が丹精込めて収穫した野菜を、消費者に食べて欲しいと手渡すことに集中すれば、
結構シンプルなやり方で残留農薬やフードロスに限らず、
食に関する問題をいくつもクリアできるのでは?と私は思うのです。