埼玉にある水素サロンセルくれんず|免疫力の基本である白血球を理解しよう
2021/05/09
「薬をやめると病気は治る」安保徹・著(マキノ出版)より一部抜粋
私たちの体には、「免疫」と呼ばれる自己防御システムが備わっており、
ウイルスや細菌、異種たんぱく(自分の体にはないたんぱく質)、ガン細胞などの攻撃から体を守っています。
白血球は、この免疫システムの中で中心的な働きをする血球細胞です。
血液中の白血球の約95%は「顆粒球」と「リンパ球」で占められています。
顆粒球とリンパ球はともに体を敵から守っていますが、それぞれに働き方に違いがあります。
顆粒球は、サイズの大きな異物を食べて処理する係。
リンパ球は、ウイルスなど微小な異物やガン細胞を攻撃する働きをします。
顆粒球の増殖能力はたいへん高く、緊急時には2~3時間で通常の2倍に増えます。
虫垂炎や肺炎、扁桃腺炎など炎症性の病気にかかったときも、
顆粒球は膨大な数にふくれあがります。
体を構成する細胞は、一度作ったらなるべく長生きさせるようにできていますが、
顆粒球だけは生き続ける遺伝子を持っておらず、2~3日で死んでしまいます。
体内の細胞の中でもっとも寿命が短いのです。
短命な顆粒球は、役目を終えると組織の粘膜にたどりついて、活性酸素を放出しながら死んでいきます。
活性酸素は万病の元であり老化を引き起こす元凶といわれますが、
私たちの体には活性酸素を無毒化するしくみがあるので、顆粒球の比率が正常な範囲にあれば、
活性酸素を無毒化し大事には至りません。
しかし、顆粒球が増えすぎて活性酸素が過剰になると、自力で無毒化できなくなり、
体のあちこちで広範囲な細胞組織破壊が起こるようになります。
一方のリンパ球は、異物を「抗原」と認識すると、抗原を無効化するたんぱく質「抗体」を作って対応します。
リンパ球も顆粒球と同様、増えすぎはよくありません。
アレルギー疾患が発症しやすくなるからです。
リンパ球にはいろいろな種類があり、役割も異なります。
以上の顆粒球とリンパ球を除いた、残り5%が「マクロファージ」です。
マクロファージは、サイズの大きな異物を食べて殺したり、細胞から出た老廃物を食べて掃除したりする係です。
外敵をムシャムシャ食べる特性があることから、貪食細胞とも呼ばれています。
マクロファージは異物をかじって相手がどのような敵であるかを判断し、
異物のかけらをリンパ球や顆粒球に見せる「抗原提示」という働きもしています。
リンパ球や顆粒球は、マクロファージから送られた情報によって活性化し、異物を排除するために働きます。
いわば、防衛システムを作動させるスイッチのような役割を担っています。
【まとめ】
◇白血球は「顆粒球」…60%、「リンパ球」…35%、「マクロファージ」…5%で血液中に存在
※マクロファージは血液中のみならず、形や働きを変えて全身に分布
◇顆粒球は、サイズの大きな異物を処理する役割
◇リンパ球はサイズの小さな異物を処理する役割
◇マクロファージは貪食した異物を抗原提示するスイッチの役割