埼玉にある水素サロンセルくれんず|野菜にまつわる勘違い|有機栽培は無農薬・無化学肥料ではない
2021/07/11
『“安い食べ物”には何かがある』南清貴・著(三笠書房)より
野菜で安いもの、高いものというと、なんとなくランクがあると思ってはいないだろうか?
たとえば、慣行栽培(農薬や化学肥料を使用)野菜に対して、
有機栽培の野菜のほうが少々値が張っても当然、
ましてや一切手を加えない自然栽培の野菜はもはや別格…というように。
最近では、その中間的な減農薬栽培の野菜も見かける。
はっきり言って、このようなランクめいた認識はただの「まやかし」である。
まず、有機栽培=無農薬・無化学肥料ではないことを知っておくべきである。
本当に「無農薬・無化学肥料」のものを選びたいと思ったら、はっきりそう明示してあるものを選ぶ必要があるということ。
そして「減農薬」も誤解されがちな言葉である。
そもそも、野菜を育てるのに使用する農薬の量は明確に決まっていない。
その地域のJA農協が主導の慣行栽培で使っている農薬量の50%以下であれば、「減農薬」とうたっていいことになっている。
ちなみに、以前使われていた農薬に比べて、新しい農薬のほうが協力かつ毒性が強くても、量が50%以下ならそれも「減農薬」になる。
消費者からすれば、減農薬のほうが安全度が高いと思ってしまいがちだが、そうでない場合もあるということなので注意しなければならない。
「低農薬」はさらに基準はあいまいである。
たとえばレベル100の農薬に対し、レベル80であっても「低農薬」といえる。
したがって「減農薬」「低農薬」の言葉をやみくもに信じてはいけない。
「有機肥料」も使い方しだいでは発がん性物質に変わる可能性がある。
有機肥料は、動物のふん、たい肥、米ぬかなどを発酵・熟成させて作られている。
しっかり発酵・熟成できているものを「完熟」というが、完熟していないものを使うと「硝酸態窒素」が野菜の中に増えるということが起こる。
硝酸態窒素は人間の身体に入ると、ニトロソアミンという強力な発がん物質に変化する。
野菜が口の中で唾液と混ざった時点でニトロソアミンが発生するとされている。
有機野菜を生のまま少しかじってみて、つよい苦みを感じるならニトロソアミンが発生している可能性が高いと思っていい。
ニトロソアミンのもう一つの問題は、体内に入るとすい臓のインスリンを生成する細胞にダメージを与えてしまうこと。
つまり、糖尿病の原因になり得るのである。
有機栽培野菜ですらそうなのだから、通常の慣行栽培野菜もかなり硝酸態窒素を含んでいると考えていい。
野菜である以上、土壌から取り込む硝酸態窒素がゼロということはあり得ないだろうが、化学肥料を大量に使って育てられた慣行栽培の野菜には異常な量が含まれていても不思議はないだろう。
小松菜やほうれん草が濃い緑色だと、つい高栄養価の質が良い野菜と思いがち。
しかし、それは硝酸態窒素が多く含まれているから、濃い色になっているのである。
ちなみに自然栽培に近ければ近いほど、青菜類の色は薄い緑色であり、けっして濃い緑色にはならない。
農薬というのは、マウスの実験で安全基準が決められている。
マウスの寿命は非常に短く、
「マウスが一生涯摂取しても安全な量」が、安全係数をかけているからといって「人間が一生涯摂取しても安全な量」と比べられるものだろうか?
遺伝子組み換えの実験もマウスが犠牲になっているが、実験期間は9か月間であり、何も起こらなければ「安全」と断定される。
9か月以上実験を継続されたマウスは、身体中が腫瘍だらけになることが起きた報告もある。
当然、そんなことは表沙汰にならないので、ほとんどの人は知らない。
「マウスで大丈夫だから、人間にも安全だ」と言われれば、え?と思う人がほとんどだと思うが、そのほとんどの人がそうやって決められた基準を疑わない。
それが現実、そういう世の中なのである。
このままでいいのか、日本人?