埼玉にある水素サロンセルくれんず|地鶏や若どりなど聞こえのいいネーミングの罠
2021/07/23
「『安い食べ物』には何かがある」南清貴・著(三笠書房)より
"〇〇の地鶏”などとパッケージにラベルが貼られていると、つい手を伸ばしたくなるものだ。
本当の地鶏は、かなり硬いものだということをご存じだろうか?
かつての地鶏とは、農家が庭で飼っていたもので、エサは菜っ葉を刻んだものや、貝殻などを食べさせて育てていた。
今売られている地鶏は違う。
本来なら硬いはずの地鶏を品種改良したり、エサや育て方を変えるなどしてやわらかく、食べやすくしたものである。
商品名として「地鶏」という名前をつけているだけのものさえある。
消費者はやわらかい肉が好きなものだから、工夫してやわらかくすること自体は生産者の努力の一つであることは否定しない。
ただ、問題はその過程である。
肉をやわらかくするために、かなり大量のホルモン剤が使われている可能性が高い。
やわらかい肉が好きなのはかまわない。
ただ、「やわらかい肉には何かある」ということは、口に入れる前にしっておくべきだろう。
忘れてはいけないのは、ニワトリは生産効率を上げるために、病気を起こしやすい「密飼い」で育てられ、病気を防ぐために抗生物質や抗菌剤を相当な量使われていること。
また、エサ代を浮かせるために、成長促進剤(ホルモン剤)を使って、なるべく早く大きくなってもらわなければいけない。
これらはみな生産者側の都合に他ならないが、こういったものが当たり前のように店頭に出回っていることも知っておくべきだ。
また、スーパーで「若どり」とパッケージされている鶏肉について。
若どりと明記するだけで商品価値が上がるのだ。
だが、その実態は…ある程度成長したオス鶏である。
使いみちのないオス鶏は、精肉になるまでの時間やコストがかかるので、ある程度育ったところで「若どり」として売られるのだ。
安い鶏肉にも安い理由があるのだということ。
本来、その値段では食べられない貴重な食材が、なぜ大量に食べられるのか。
今食べているものは、劣化版・廉価版の加工食品だということを知っておこう。