自律神経は“やじろべえ”
2020/11/09
「口に入れるものにも気を遣って、ヨガにも通っているのに、身体がとっても硬いんです。なぜですか?」
食習慣も運動習慣も整っているのに健康ではないという人からの、こういう質問かなり多いです。
健康的な生活習慣に伴っていない不定愁訴の理由は、ズバリ「自律神経の失調」です。
この質問主のケースは、ストレスフリーを意識しすぎて副交感神経に寄せすぎ。
必要なのは、ストレスで交感神経を優位にすること。
自律神経のことでありがちなのは、「副交感神経は良い」「交感神経は悪い」という誤解したイメージです。
自律神経に良いも悪いもありません。
交感神経優位下で身体を動かし、副交感神経優位下でその疲労を抜くだけの仕組みです。
言い換えると、「交感神経下で疲労ストレスをかけて免疫力を鍛え、副交感神経化で栄養を吸収してダメージから回復する」
ということです。
自律神経をシーソーに例えて、
「どちらかに偏りすぎていると病気になるから、ふり幅を小さく、中庸を意識しましょう」
というアドバイスも誤解イメージを抱かせる原因だと思います。
考えてもみてください。
仮に自律神経がシーソーだとして、その振りはばが小さいと、人間の3大欲求である
「睡眠欲」「性欲」「食欲(排泄)」
がどれも満たせなくなってしまいます。
生理的欲求を満たすためには、必ず交感神経or副交感神経のどちらかに偏っていなければ無理です。
ゴチャゴチャ考えないように、自律神経の大前提をお教えします。
《交感神経は昼に働き、副交感神経は夜に働く》
ということです。
仕事中にシエスタと称して昼寝するのも、真昼間からマッサージや温泉につかるのも、
24時間ジムで夜中に人知れずトレーニングするのも、夜に子づくりに精を出すのも、
自律神経の大前提に沿ってはいないのです。
自律神経は、副交感神経から交感神経に切り換わって朝に目覚め、
夕方17時頃に交感神経から副交感神経に切り換わると言われています。
私たちのDNAには「1日の疲れは1晩のうちに」という仕組みが備わっているのです。
私が自律神経について話すときは、シーソーよりもヤジロベーを例にします。
シーソーを例にすると、人は頭で「自分は○○神経に偏りすぎてる」と勝手に決めつけてしまいます。
実際には少ししか偏っていなくても、0⇔100で自己暗示がかかってしまい、なかなか抜け出せません。
一方ヤジロベーだと、どちらか一方に倒したら、返す刀で倒した幅と同じ振り幅で反対側に振れます。
弾むように前後左右に切り返す様子は、凝り固まる余裕もなく二元論から抜け出しやすいのです。
現代人が患う現代病は、「会社」での「働きかた」が、
生理的欲求を司る「自律神経の大前提」に反しているから増えているのだと考えます。
健康への一番の近道は、自律神経の赴くまま生きること。それに尽きます。
すべての人がそういう生活にシフトして、水素やMDフラクションが要らなくなる日が来ることを願います。