埼玉にある水素サロンセルくれんず|栄養の研究にはバイアスが発生している
2021/01/14
世界的にヘルスケアへの注目が高まっており、オーガニックや乳酸菌プロバイオティクスなど
健康によいとされるさまざまな食品が登場しています。
しかし、医学研究が製薬会社の出資を受けているように、
このような栄養素の研究も食品メーカーの出資を受けているケースが多く、
研究にはバイアス(偏り)が発生していることをメルボルン大学の食品政策研究者であるGyorgy Scrinis氏が指摘しています。
Ultra-processed foods and the corporate capture of nutrition—an essay by Gyorgy Scrinis | The BMJ
2015年、コカ・コーラが非営利の肥満研究団体グローバル・エナジー・バランス・ネットワーク(GEBN)
に資金提供していることをニューヨーク・タイムズが明らかにしました。
GEBNの目的は「砂糖入りの飲料が肥満レベルの上昇の原因ではない」と研究で示すことであり、
コカ・コーラの宣伝活動のための組織だったと考えられています。
コカ・コーラが大きな非難を受けてGEBNへの資金提供をやめると、
GEBNは閉鎖されたことから、
「GEBNがコカ・コーラの宣伝のために設立された」ということを示していると指摘されています。
そして、「企業の科学活動」の多くはコカ・コーラが行っていたものと同様だとScrinis氏は述べています。
※科学的活動とは、研究活動の実施、学術誌への論文掲載、専門家会議の後援、研究機関への出資、栄養教育プログラムの提供のこと。
分かりやすく言えば、
企業は自社の加工食品を売るのに都合の良い研究結果を買収しているようなもの。
そして、食品会社は製薬会社と異なり、パッケージに疾病予防や健康効果を謳うことができません。
その代わりにタンパク質・食物繊維・オメガ3脂肪酸・抗酸化物質といった栄養素を、
「暗黙の健康強調表示」として利用することになります。
食品パッケージに各栄養素を表示することで、
消費者は特定の栄養素と健康的利点をリンクし「健康利点」を想像します。
栄養マーケティングとは本質的に消費者の想像をかき立て、
「健康によさそうな雰囲気」を作り出すことが目的だとScrinis氏は述べました。
栄養マーケティングを行うため、食品会社は機能性食品など、
科学研究によって効果が期待されている多くの栄養素を商品化しようと試みています。
ネスレは一部の熱処理されて「死んだ」プロバイオティクスが生きている菌よりも腸の健康に役立つ
という研究結果を発表しましたが、バイアスがかかっていると考えるべきです。
死んだウイルスで免疫獲得を狙う不活化ワクチンと同じ理論でしょうか。
このような企業による栄養学研究への影響を取り除くため、
Scrinis氏はまず科学者・研究資金・学術誌・専門家委員会などの透明性と独立性を高める必要があると提言しています。
学術誌や意志決定委員会の利害関係を明らかにし、科学者が食品産業からの後援を拒否し、
政府の食事ガイドラインの制定において業界が資金提供した研究を除くことも方法として挙げられています。
あとは消費者が賢くなることです。
大手企業のマーケティングに踊らされず、知識を得ること。
もっともらしいバイアスがかかったエビデンスと、大量生産ゆえの低価格に惑わされない。
テレビを消して、コマーシャルを見ないというのも一つの手段ですね。
栄養のあるものを食べていれば、免疫力が上がって病気にならない
というのは間違いです。
栄養学と免疫学は別モノと切り離して考え、酵素(こうそ)が繋いでいることを知りましょう。