埼玉にある水素サロンセルくれんず|使う大豆を限界まで減らしている豆腐
2021/07/09
『“安い食べ物”には何かがある』南清貴・著(三笠書房)
豆腐は今や日本の食卓には欠かせない存在感があり、しかも安くてヘルシーと、いいことづくめのありがたい食材。
種類や値段もさまざまで、スーパーでも売れ行きの良い商品である。
とにかく売れることが分かっている食材なので、作る側、販売する側はいろいろなことを考える。
スーパーでは、価格を安くしてたくさん買ってもらうことで数をさばく売り方がメインであろう。
今、一般にスーパーで売られている豆腐の多くは工場で生産されている。
安くするためには生産効率を上げ、コストを落とすことが課題になる。
コストを落とすためのいちばんの方法は、使う大豆の量を少なくすること。
使っている大豆の量が少なくても、豆腐らしく見せるために、膨張剤(食品添加物)などでカサ増しをしている場合もある。
たとえば、豆腐を固めるための凝固剤の一種である「酒石酸水素カリウム」は、
膨張剤として使われる一方で、加工補助剤として使用され、
最終的にわずかしか残留しない場合、使用したことを表示しなくてもいいことになっている。
もともと豆腐は水分が約90%を占めるといわれているが、
大豆が少ない「カサ増し豆腐」で料理での型崩れを防ぐための水切りをすると、半分くらいの薄さになってしまう。
はたしてこれが、本当にヘルシーな食品なのだろうか?
また、製造過程での利便性のために、消泡剤として使われている
「グリセリン脂肪酸エステル」や「シリコーン樹脂」といった
化学物質を使わない、昔ながらの製法のものが望ましいのは言うまでもない。
コストを落とすためには、原材料の大豆を可能な限り安くするというのも方法のひとつ。
それには大量生産の大豆を使うことは避けられない。
その大量生産されている大豆の中には唐山、遺伝子組み換えの大豆も含まれる。
そして、遺伝子組み換え作物を作るには、かなり強力な、
しかも大量の農薬が使われることを知っておかねばならない。
「遺伝子組み換えの大豆は、日本では使ってはいけないことになっている‼」と思う人もいるかもしれない。
もちろん、基本的に使ってはいけないのだが、ある割合まではつかっていいことになっているというのが事実。
※原材料の上位3位以内で、かつ全重量の5%以上を占めると表示義務あり
つまり、5%までは、遺伝子組み換えの大豆を使っていても「遺伝子組み換えでない」と表示してもいいことになっている。
そもそも、5%以上は使っていないなど、誰がどのように確認するのだろう?
私達では調べようも確かめようもない領域である。
今のところ国産大豆では、遺伝子組み換えの栽培自体が禁止されているので、
パッケージに「国産大豆100%」と表示されていれば、
遺伝子組み換え大豆が使われている可能性はないはずである。
輸入される大豆には、ものすごく強力なポストハーベストもおこなわれている。
ポストハーベストとは、収穫後の農作物に、防腐剤や防カビ剤などの農薬を散布する処理のこと。
ポストハーベストでは、日本で認可されていない農薬が含まれている。
認可されていないものが、なぜ日本に入ってこられるのか?
それは、「農薬」ではなく、「北品添加物」として認可されているから。
農薬の管轄は農林水産省だが、ポストハーベストの管轄は厚労省のため、このようなおかしなことが起こっている。
海外から輸入されている大豆には、食品添加物という名の農薬が大量に使われていると考えていい。
輸入される大豆は長い間船に揺られてきても、虫食いどころか。腐りもしなければカビも生えない。
それには理由があるといわけである。
少なくとも、国産大豆100%の豆腐を選べば通常の農薬問題は別にしても、ポストハーベストの問題はクリアしている。
少々高いとしても、質としては断然上であろう。
オーガニック栽培のものであれば、さらに良いと言える。
ちなみに、大豆油はほぼ100%が遺伝子組み換え大豆を絞って作られていることも覚えておいて欲しい。
これには、遺伝子組み換えであるという表示の義務がないのだ。