埼玉にある水素サロンセルくれんず|豚肉そのものよりもハムやソーセージが安くなる理由
2021/07/22
「『安い食べ物』には何かがある」南清貴・著(三笠書房)より
身近な食材で牛肉よりも安く、手に取りやすいのが豚肉である。
豚肉だけでなく、これだけコスト削減が叫ばれ生産者を圧迫しているのは、安くて安全な肉が食べたい、という消費者のわがままともいえる声にもあるのではないだろうか。
以前、ある豚肉生産者がコスト削減のために、コンビニから売れ残りの弁当などの廃棄される残渣をもらいうけて、豚のエサとして食べさせていたところ、奇形や死産が増えて畜産業を廃業してしまったということがあった。
コスト削減を求められたがゆえに、生産者自身もイヤな思いをすることになった。
豚肉は消費量の多い食材である。
生産者が大切に育てた豚が成長し、売りに出され、それを食べる消費者は正当な価格を払っておいしくいただくのが、本来の幸せなサイクルであろう。
ただし、そういう豚肉は安くない。
私たちは豚肉を消費しすぎているのではないだろうか?
大切に育てられた豚肉を感謝しながら、ときどき食べるくらいがちょうどいいは思わないだろうか。
そんな豚肉だが、それを加工したはずのハムが、豚肉そのものより安いというのはなにか変ではないか?
豚肉の原材料費と加工費が入るのだから、本来、豚肉より高くないとおかしいだろう。
これは、増量剤、防腐剤、結着剤、香料、着色料といった、食品添加物の力がはたらいているのだ。
肉加工品と呼ばれるハム、ソーセージ、ベーコンに使われている食品添加物の危険度が高いのは事実である。
とくに発色剤という、ハムなどの色を鮮やかに見せるための食品添加物は、かなり危険度が高いと言われている。
多くは亜硝酸塩、または亜硝酸ナトリウムと呼ばれる化学物質で、これらを食べると胃の中で反応が起き、発がん物質が作られてしまうことが明らかになっている。
食品添加物の中でも、これだけは避けて欲しいと強く訴えたいものの一つである。
不安を感じる消費者に向けて、最近は「無塩せき」のハムやソーセージをよく見かけるが、これもあくまで発色剤が不使用ということにすぎず、他の食品添加物はそのまま使われている。
「食品添加物のことはよくわからないけれど、危険なものは避けたい」という人へのアドバイスは、
ハム、ベーコン、ソーセージを避けることである。
とくに育ちざかりの子どもに頻繁に食べさせるのだけは止めて欲しい。
どうしても食べたいときは、少々高くても、食品添加物を一切使わずていねいに作られている店を選ぶべきだ。
ハムやソーセージは基本的に豚肉を加工したものだが、安く売られているものは、豚肉以外にも鶏肉や馬肉などが使われているケースもある。
それどころか、どこから来た肉かわからないということさえあるのだ。
2007年に北海道で発生した食肉偽装事件を覚えている人は多いだろう。
豚肉を混ぜたひき肉を牛肉として販売していた事件である。
今現在もさまざまな肉が混ざって、安いハムはソーセージは作られている。
また、そういった原材料を使って、コロッケやメンチカツなどの加工品もつくられ販売されている。
いくら高級スーパーで売っていようが、安全かというとそうではなく、ロースハムのブロック肉なども形だけでは判断できないのだ。
量り売りだとしても原材料の表示義務がないため、実際はなにが入っているかわかったものではない。
もちろん、品質の良いものを提供している売り手もいるが、その一方でそうでないケースもあることを頭に入れておくべきだ。