植物は酸素が嫌い
2020/12/16
これまでブログで何度も書いているように、
人間を含めた動物の身体を傷つけるものとして、
酸素の一形態である「活性酸素」があり、
それを除去するのが水素です。
そして、植物にとっては「酸素」そのものが“不要”であり、
擬人化して言えば、「植物は酸素が嫌い」だということをご存じでしょうか。
小学校の理科で習ったように、
植物は太陽光と水と二酸化炭素によって「光合成」をします。
台地から水を吸い上げ、大気中から炭酸ガスを吸い込み、
太陽光の力を借りて植物体内にデンプン、炭水化物を作り出すのが「光合成」です。
植物は、子孫を残すために「種」を作ろうとします。
植物は動物のように酸素を吸うのではなく、
二酸化炭素を吸って太陽光エネルギーで水と反応させ、
この両物質に含まれる酸素を吐き出します。
CO2とH2OからOを追い出すと、残るのはCとH。
つまり、炭素と水素が植物に必要だということが分かります。
そしてCとHが結合するとできる炭化水素が、植物の実を絞るとでてくる油になります。
この仕組みを基本にしてデンプンや糖質が生成されます。
光合成は、二酸化炭素(炭酸ガス)を原料とするので、「炭酸同化作用」とも言われます。
同化作用というのは、無機物から炭水化物、脂肪、たんぱく質などの物質を合成することです。
こうして、植物には不要だから放出している酸素を、
人間は山や森で吸って「空気がうまい」と言っているのです。
生物の循環、共存共栄の姿が在るのです。
動物と植物の共存関係から分かるように、
二酸化炭素は、酸素と同様に生物の成長を左右する重要な物質です。
現在の環境問題で目の敵にされている二酸化炭素は、
植物からしてみたら、絶対に減らしてほしくない大気成分なのです。
今、世界は二酸化炭素削減に躍起になっています。
日本企業も細かい計算をして少しでもCO2排出量を減らそうとしていますが、
たとえば、地震の影響で大きな火山噴火などがあれば、
大量の二酸化炭素が溢れますから、そんな緻密な計算など一瞬で吹き飛びます。
CO2を減らすことばかり考えず、有効利用の方法を考えたほうが建設的だと思うのです。
植物には酸素が不要で、二酸化炭素が必要だと先述しました。
つまり、二酸化炭素は植物の成長のエサになるとも言えます。
CO2をエサにして飛躍的発展を遂げた企業に、新潟の「雪国まいたけ」があります。
前社長の大平喜信氏は、農業用ボイラーで燃料を燃やしたCO2が豊富に含まれる排ガスを
ビニールハウス内に入れたところ、作物の成長は飛躍的に早くなったそうです。
さらに、温室効果で暖房効率も上がり燃料代が安くなるという良いこと尽くめで、
人工栽培が難しいとされていたマイタケの大量生産が可能になったという話です。
アメリカ・アリゾナ州の森林でも、樹木より高い20mのポールの先端に、
固形二酸化炭素、つまりドライアイスを設置して、
1年間二酸化炭素を放出し続けるという取り組みがおこなわれました。
結果は、他の地域の森林に比べ2倍近くの成長率でした。
もちろんこれらの成長促進には、CO2以外にも、
水に含まれる水素が大量に使われていることは言うまでもありません。
植物における水素の、そして二酸化炭素CO2の重要性を、
もっとよく認識・理解し、活かすことを考えるべきです。