転んだ高齢者
2020/12/22
昨日は、サロンを臨時休業し大事な打ち合わせに地下鉄で都内に出ました。
待ち合わせの駅に着いたので降り、ホームを1車両ぶんほど歩いたでしょうか。
少し先のドアから、高齢の女性が乗り込もうとしていました。
ドアが閉まるアナウンスに焦ったのかもしれません。
ステップに躓き、「ビタン!」と音を立てて車両の中に倒れたのです。
「すぐに起き上がれなさそうだな」と直感した私は、ドアを閉められないように
車両に半身だけ入り、女性の背中側から両脇に腕を差し込み抱え起こしました。
その女性は急に身体が浮いて驚いたのか
「あ、あ、すみません、すみません」と恐縮しきりでしたが、
私は「大丈夫ですよ、気にしないでください」とだけ言ってその場を離れました。
私は善行を自慢したいわけではありません。
私以外のその場に居合わせた乗客が誰一人として動かなかったことが腹立たしいのです。
ビタンと転んだ女性は、腕立て伏せのように身体を起こそうと2回程もがいてしていましたが、
動けそうもありませんでした。
私が女性の元にたどり着くのに5秒~10秒はあったかと思います。
その間、居合わせた人々は微動だにしませんでした。
濃厚接触したらコロナに感染するなどとでも考えているのでしょうか。
コロナ禍は、親切心とか気遣いという心の余裕を日本人から奪ってしまったようです。
虚しい気持ちになった出来事でした。