埼玉にある水素サロンセルくれんず|刺身の盛り合わせは売れ残り
2021/07/15
「『安い食べ物』には何かがある」南清貴・著(三笠書房)より
魚には農薬や添加物は無関係のようだが、そうではない。
通常、国産の魚は、千葉県沖で獲れたら「千葉産」というように、獲れた水域を原産地として表示する。
養殖の場合は、養殖場のある都道府県が原産地になる。
輸入されてくるものは、その魚が水揚げされた国の名前が表示される。
ところが、漁獲された場所が不明なケースもある。
その場合はなんと、まったく別のところから漁獲したものでも「水揚げした地域を名乗っていい」というルールがある。
産地の表示は信用できないと言われればそれまでだが、
産地が確実なものをを選ぶためには、「この地域でこの魚は獲れるのか?」と疑問に思える程度の知識は必要かもしれない。
刺身は今、ほとんどパックで売られている。
このパックで単品のものは「サク」のままだと「生鮮品」扱いとなり、食品添加物は使ってはいけない決まりがある。
ところが、たとえばマグロとイカとサーモンなどが一つのパックに入った「刺身の盛り合わせ」になったとたん「加工品」扱いになる。
加工品には食品添加物の使用が認められているので、アミノ酸、防腐剤などの食品添加物が使われているケースがある。
ただ、一概にそのことを批判することもできない。
店としては、食中毒などの事故が起きたら致命的だし、刺身を盛り合わせている間にも菌は付着するので、添加物を使用せざるを得ない事情もある。
たとえば、スーパーに良い魚が入荷したとして、店側としてはできれば「丸」(エラやはらわたのみを取り去った)状態で売りたい。
それが売れない場合、翌日「サク」にしてパックに詰め、刺身用として売る。
それが売れ残ると、翌日「盛り合わせ」にして売られることになる。
つまり、2日目以降は。食品添加物を使わないと鮮度が維持できないという事情がある。
もちろん、鮮度の良い盛り合わせを提供しているスーパーもあることは、おことわりしておく。
では、消費者はどうすればいいだろう?
結論は、刺身で食べる魚はサクで買って、自分で盛り合わせて食べればいい、ということになる。
また、刺身はもう次の日には食べられない、と捨てるのではなく加熱すればいいだけのこと。
食材のロスをふせぎ、なおかつ不要な食品添加物を摂らずに済むのだ。