埼玉にある水素サロンセルくれんず|デパ地下総菜の無添加表示の罠
2021/07/25
「『安い食べ物』には何かがある」南清貴・著(三笠書房)
多くの人は、売っている食品の「質」をランク付けするとしたら、
コンビニよりスーパーのほうが上、
スーパーより百貨店のデパ地下のほうが上、
と思っているのではないだろうか。
実は売っている食品の内容としては、そんなことはないというのが実情だ。
高品質に思われがちなデパ地下には、共同厨房があり、他の店舗の人たちと一緒に調理するが、残念ながら決して衛生的な環境とは言い難いスペースだ。
だが、それも仕方ない。
なぜなら、百貨店にはほとんど休日がないので、丸一日かけて掃除をする時間が取れないからだ。
デパ地下では多くが対面販売になっている。
販売担当の店員がていねいに接客をしてくれて気分は良いですが、対面販売するものは原材料を表示しなくていいと決まっている。
また、食品添加物の使用も開示しなくていいということになっている。
法律上こうなので、違反ではない。
では表示していないから使っていないかというとその逆で、自由に使える。
こうなるとメーカーの良心の問題だろう。
誤解しがちなのが、デパ地下に出店している料亭などの名店の総菜、仕出し弁当の類だ。
「有名店の名前で売っているのだから、有名店の調理人が作って売っているのだろう」と思ったら大間違いだ。
他の普通の弁当と同じように食品工場で作っている。
もちろん食品添加物もはいっている。
ただ、その名店のレシピの配合で作っているだけ、ということ。
ある有名料亭がはじめてデパ地下に出店したときのこと。
最初は店でつくって運んでいたが、あまりの量の多さに調理人たちが音をあげたそうだ。
店では小さな鍋一つひとつつくって小鉢で提供していた料理を、争うように100gも200gも買われるため、底の深い大鍋をかき回しながらつくるのだから、調理人が怒るのも当然である。
それ以来、デパ地下で売られるものは食品工場に任されるようになった。
必ずしも価格が高い百貨店のほうが品質が高いとは言えないことがわかるエピソードである。
もうひとつ知っておきたいのが「キャリーオーバー」問題である。
「無添加」とうたわれた弁当の中に、たとえば卵焼きやかまぼこが入っていたとする。
このかまぼこや卵焼きを別会社から原材料として仕入れた場合、原材料をつくる時点でどれほどの添加物を入れたとしても、この弁当工場が仕入れ、最終的に加工した時点で添加物を使っていなければ「無添加」といっていいことになっている。
業界では常識だが、一般の消費者は「無添加」といわれたら信じてしまうだろう。
そうなるともう調べようがないので、ふあんのあるところでは買わないようにするしかない。
ところが、本当に「無添加」ですべて作っているところもあるので、そういった誠実なメーカーが報われるためには、
本当に良いメーカーを見つけたら購入することで応援してあげたいものだ。