埼玉にある水素サロンセルくれんず|揚げたてコロッケ1個10円の原価とは?
2021/07/26
「『安い食べ物』には何かがある」南清貴・著(三笠書房)
今、百貨店もスーパーも、売り上げという意味では非常に厳しい状況にある。
コンビニも客数を減らしている。
その中で売り上げを上げるには安さを重視するしかないというのが現状である。
店側からすれば売価を落としても上げてもダメージがあり、残された手は…
原価を落とすことと人件費を減らすことしかない。
スーパーなどは人件費削減のためにパートやアルバイトを増やしている。
新卒でスーパーに就職した男性がいる。
労働条件があまりにも劣悪なブラック企業だったため、結局身体を壊し辞めたそうだ。
その男性の話によると…
ある日「本日の目玉商品」として、冷凍コロッケが大量に仕入れられてきた。
バックヤードでは大量のコロッケを揚げることになるが、そこで使われている油は、目を背けたくなるような真っ黒な油だったそうである。
コスト的にも時間的にも、油の交換などしていられないのだ。
そんなコロッケを食べて古い油を摂りこむと、身体に大きなダメージがあることはいうまでもない。
それが「今日の目玉商品」として次々に店頭に並び、買われていく。
たとえば1個10円のコロッケなど、時々驚くような安い値段でこのような目玉商品が売られていることがある。
スーパーが品質の良いものを努力して必死に作り手と交渉し、良心的な値段で売っているのならいいが、まずそんなことはありえない。
その裏事情を知っている人なら、100%買わない代物なのだ。
どんなものが入っているか、本当にわからない。
おそらく国内で作られたものではない。
コロッケが1個10円でも利益が出るようになっているのなら、仕入れ値は一体いくらだったのだろう。
手間もコストもかけずに作るから、そんなに安くできるのだ。
劣悪な原材料を、添加物で味付けしているのだろう。
そんなものが、スーパーでは飛ぶように売れるのだ。
安い目玉商品を買った客からクレームが入ることはまずない。
安いことを承知の上で買っているから、文句のつけようがないのだろう。
それを店側もわかっているから、交換しない黒い油で揚げて売っているのだ。
そんなスーパーを責めることはできない。
1個10円のコロッケを揚げるのに、3時間ごとに油を交換していたら、油代のほうが高くつくだろう。
利益を出すためには仕方のないことなのだ。
冷凍コロッケはあくまでも一例だが、すべてではないにしても、目玉商品のしくみはこのようになっていることを知っておく必要はあるだろう。