腕立て伏せが心疾患を予防する
2020/11/28
私が腕立て伏せをやる時はいつも、最低40回が目標です。
その回数は、ある研究データが根拠になっています。
このグラフは、腕立て伏せ10回ごとの心臓病発症リスクを表しています。
米国医師会が発行するJAMAネットワークに掲載された報告によれば、
腕立て伏せを40回以上できる中年男性は、心血管疾患(心筋梗塞や狭心症)のリスクがかなり低いのです。
ただ、40回というのはかなりキツイはずです。
グラフを見るに、11回~40回以上の生存確率は100%-95%あたりに収束しており、
0回~10回しか腕立て伏せができない人の死亡率が突出して高い。
11回~20回と比べても10%ほど死亡率に差があります。
結論としては、最低でも腕立て伏せ11回できる筋力を維持できるようにすべきです。
とはいえ、腕立て伏せがまったくできないという人は多いです。
ですがその原因は、腕立て伏せの時に使うべき筋肉を使えていない場合がほとんどです。
トレーナーをしていると、「腕立て伏せは腕のトレーニング」だと思っている人がとても多いことに驚きます。
たしかに腕にも効くのですが、もっとも意識して聞かせるべきは胸の筋肉、大胸筋です。
腕の細い筋肉だけで自分の体重を40回も持ち上げるのはかなりキツイです。
というかアスリートならまだしも、一般の人、特に女性にはほぼ無理だと思います。
腕立て伏せは、英語では「プッシュアップ」と言います。直訳で「押し上げる」です。
トレーニングには、身体の前面の筋肉を動員する「押す動作」と
背面の筋肉を動員する「引く動作」があります。
例えば、目の前にある重い壁を押して動かすとします。
下の画像のように壁に手をついて肘を伸ばして押すはずです。
これが、壁を押す時に最も力が入る姿勢です。
この時の前面の胸の筋肉は、グーっと胸骨に向かって収縮しています。
逆に背面の肩甲骨は左右に開いています。
ここで押している壁を地面だと思ってください。
腕立て伏せ(プッシュアップ)とは、
要は、胸と肩甲骨を交互に寄せたり開いたりする動きです。
セルくれんずは、パーソナルトレーニングをメニュー提供していますが、
動員する筋肉の使い方のコツさえ掴めば、腕立て伏せがまったくできなかった人でも
10回はすぐにできるようになります。
チェストプレスという胸を鍛えられるマシンも併設しているので、
自分の体重以上の負荷でサクッと限界まで追い込むことも可能です。
心疾患予防としての腕立てのコツは、胸と肩甲骨のオープン&クローズです。
健康に関してだけでなく、トレーニングの質問もお待ちしています。
ジムでイマイチ効果が感じられない人はぜひお問合せください。