筋肉痛は炎症、全身筋肉痛は病気
2020/12/06
私のパーソナルトレーニングを受けたいという人から問合せを頂くことがあります。
お問合せ自体はありがたいのですが、
私はボディメイクのパーソナルトレーニングは受けません。
『そんなんでトレーナーを名乗るな』と、
ご自身のトレーニング理論を私に押し付けてくる人もいます。
正直申し上げて余計なお世話ですし、とても煩わしいです。
何度も申し上げているのですが、私が広めたい運動は健康になれる『フィットネス』です。
見た目を重視して筋肉を肥大化させるのは、
パフォーマンスを上げるために健康を犠牲にするアスリートの領域であって、
フィットネスとは真逆の価値観だと考えています。
だから私は見た目勝負のコンテスト向けトレーニング指導はやりません。
というか、やったことがないので指導できません。
私のトレーニングは、追い込みませんし、オールアウトしませんし、筋肉痛も最小限に抑えます。
血流代謝を上げるために、使えていなかった筋肉を伸び縮みさせて刺激を入れるだけです。
自分の身体をコントロールできる筋力はついても、体形は変わらないかもしれません。
その人に適した体形や骨格は十人十色です。遺伝子タイプも大きく影響すると考えます。
筋肥大で身体を大きくしたい人は私の方針とは合わないので、来なくて結構です。
筋量を増やして身体を大きくすることを『バルクアップ』と言います。
バルクアップに必要なのは「筋肉細胞組織の破壊」と「超回復」です。
例えば骨折して治った時、折れた骨がくっついたところは盛り上がっています。
部分的に太くなって、骨折以前より強度が上がっている(?)のと
同じことを筋肉で起こすのが超回復です。
破壊⇒超回復を繰り返して、筋肉で身体が大きくなっていきます。
筋破壊に必ず伴うのが「筋肉痛」です。
そしてここからが、別にボディメイクを目指していない、
健康になるための運動を求めている人に知っておいて頂きたい事です。
SNSで「筋肉痛が友達」「筋肉痛がないと不安」など言っている
トレーニーやフィットネスモデルが多数見受けられますが嘆かわしい限りです。
筋肉痛は筋肉の炎症です!
そして炎症はその部分の組織だけの問題ではありません。
あちこちの筋肉に筋肉痛が出るのは身体全体におよぶ炎症が起きているということ。
ある意味、事故にあって全身打撲しているのと大差ありません。
運動やトレーニングをスタートする初期段階で、筋肉痛が出るのは致し方ないことですが、
何週間、何か月、何年という長期間で慢性的に複数の炎症があるのは、
実質的に病気と同じで、決して健康に良いことではないのです。
私たち人間の身体は当然ながら、そんな全身打撲状態で機能するようにできていません。
快適な生活を目指して運動しているのに、筋肉痛で生活に支障が出たら、それこそ本末転倒です。
私たちの身体は慢性的な筋肉痛に適応できないのです。
若い人は壊れた筋肉の修復に使う酵素が多いので、しばらくは大丈夫かもしれません。
ただし、有限の生命資源である酵素は減っていきますから、
確実に身体に負担はかかっているのです。
以前ブログに書いた、トレーニング直後に免疫力が下がる「オープンウインドウ」も、
免疫で使われるはずの酵素が筋肉の修復に回ってしまうから起こると言えます。
もしこれまで「筋肉痛は前進の証」というポジティブなイメージを持って、
運動やトレーニングをしてきたなら、考え直さなければいけません。
良かれと思ってしていた運動が、実際には寿命を縮めている可能性があると。
身体を動かす上で筋肉痛は付き物で、
時には避けては通れないものですが、決して目的になるべきものではありません。
この私の考え方に共感できる人にのみ、トレーニングをお伝えします。